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カイコの行動変異体の研究

湯浅 正志 (D3)

 カイコには長い蚕糸業の歴史の中で見つかってきた普通のカイコとは異なる形質をもつ変異体が数多く保存されています。それぞれの変異体の中には卵、幼虫、成虫や繭の形や色といった見た目の変化をもつものだけでなく、脱皮の回数である眠性の変化をもつものや、中には行動が変化してしまっているものもいます。

 行動は複数の遺伝子や環境の影響を受ける複雑な形質で、通常は解析困難ですが、少数遺伝子によって制御されていることがわかっている変異体がカイコには存在します。

 そのような変異体の1つである浮きちぢらと呼ばれる変異体は、繭の形がピーナッツ形から楕円形の綿のような繭になります。営繭行動は、繭の作成の過程や繭の中での幼虫の首の振り方や、絹糸を吐く位置の頻度などがあり、それぞれが繭の形に影響を与えます。

 私はこの変異体の原因遺伝子を明らかにすることを通して行動という複雑な現象を説明できるようにしたいと思っています。また、こうした行動のメカニズムを理解にすることで、害虫などの行動を制御して被害を抑えるといった新たな防除法の開発などにもつながることも期待しています。

 この他にも行動の変異体は知られており、性フェロモンの応答性が変化しまったっものや産卵行動が異常になってしまっているもの、桑以外のものを食べてしまう食性が変化したものがいますので、研究室に参加すればこうした変異体を扱えると思います。

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