3.茎頂分裂組織のアイデンティティー転換
茎頂分裂組織のアイデンティティーは、植物の成長にともなって変化します。アイデンティティーの転換は植物の形態を決める重要な要因です。私たちはイネ穂のかたちをモデルに茎頂分裂組織のアイデンティティーの転換を制御するしくみを解析しています。
イネ穂では、枝分かれ上に個々の花(穎花)がつきます(図3-1)。枝分かれは一次枝梗とよばれ、一次枝梗上には次の段階の枝分かれの二次枝梗と穎花ができます。イネ穂の発生を理解するポイントは、枝梗の先端には穎花(頂端穎花)がつくられることです。頂端穎花は枝梗分裂組織そのものが穎花分裂組織へとアイデンティティーを転換したものです。これに対して、枝梗の途中にできる穎花は枝梗分裂組織から作られ、側生穎花とよばれます。枝梗分裂組織は穎花分裂組織に転換するまでは側生穎花を作るので、このアイデンティティー転換のタイミングは枝梗に形成される穎花の総数を決定します。すなわち、転換が早ければ小さな穂が、遅ければ多くの側生穎花からなる大きな穂ができます。
このように、私達はアイデンティティー転換のタイミングの制御が植物の形態をきめる主要な要因のひとつだと考え、枝梗分裂組織から穎花分裂組織への転換をコントロールするしくみを解析しています。
3.茎頂分裂組織のアイデンティティー転換
◇各研究テーマの説明