2.新しい分裂組織の形成
植物の葉腋には新たな分裂組織(腋生分裂組織)が作られ、これが分枝として成長して植物のかたちづくりが進行します(図2-1)。イネの腋生分裂組織は成長ステージや形成された部位により、分げつ、穂の枝梗(穂の分枝)または花芽へと成長します。
図2−1

これまでの解析で、将来の分化運命の違いにかかわらず、すべての腋生分裂組織は共通の機構によりつくられることがわかりました(Komatsu
et al. 2003)。LAX はこの共通機構に必要な遺伝子で、lax変異体では枝梗と側生頴花に分化する腋生分裂組織が作られず、LAXとさらにMOC1遺伝子が機能を失うと腋生分裂組織はまったく作られません。LAX遺伝子はbHLHドメインを持つ転写調節因子をコードし、 LAX mRNAは茎頂分裂組織と腋生分裂組織との境界部で層状の発現を示します。このように層状に発現するLAX がどのように腋生分裂組織の形成を制御するかという「LAXの分子機能」を明らかにするために、分子マーカーを用いたLAX 機能の遺伝学的解析、LAX の下流で動く現象の解析、LAX の下流標的遺伝子の転写制御機構の解析などを行っています。
また、マイクロアレイを使った網羅的解析を行うことによりイネ穂発生時に発現する遺伝子のプロファイリングを行い、穂の腋生分裂組織形成に関与する遺伝子群の情報を得ることができました(Furutani et al. 2006)。
3.茎頂分裂組織のアイデンティティー転換
◇各研究テーマの説明